白神便りVOL1
今回から始まる新しいシリーズです。
私たちクラウターハウスの活動に賛同いただき、あの世界遺産で有名な白神山地にIターンされ、自然とともに生き生きとした生活をされている、藤原 弘章さんの、四季折々の森林便りをお送りすることになりました。
定期的に藤原さんより、移り行く自然の便りを通じて、皆様に自然のすばらしさを伝えてくださると思います。
お楽しみに。まずは、届いたばかりの第一号から掲載してまいります。
白神便りVOL1
私が住んでいる秋田県藤里町は県の北部にあり、青森県との県境に白神山地が連なっている典型的な山沿いのすり鉢状の盆地で、森林に囲まれています。年間を通して雨が多いので、緑が豊かで、大きな工場から煙を出しているわけでもなく、豊かな森林が二酸化炭素を十分に吸収して、酸素を豊富に供給してくれているので、普通に生活していながら森林浴をしているような気がします。
白神山地には貴重なブナの原生林が残っており、それを保護する目的もあり、世界自然遺産に指定されたのです。しかし、先日新聞紙上では、このまま温暖化が進めば50年後にはブナ林が消滅してしまうというショッキングな記事が1面に出ていました。ブナ林は6度〜13度位が理想的なようですが、温暖化が進んで気温が上がれば消滅につながっていくのでしょう。
ところで、私たちを含めて一般のツアー客も白神山地の世界自然遺産指定地域には入山できません。そのまわりの原生林が残っているところを教育林としてツアー客にも開放し、そこで案内しているのがツアーガイドの人たちです。
その人たちは白神山地の樹木、植物野鳥や動物などを知り尽くしていて、教育林の中をツアー客の興味を喚起しながら面白おかしく説明してくれます。まるで職人技です。
藤里駒ケ岳への途中にある岳岱(だけだい)のブナの教育林には、樹齢400年のブナも残されていますが、その中をツアーガイドの案内で森林浴しながら1,2時間散策すると、植物などの知識も多少豊かになり、ちょっとかしこくなったような気分になり、さらに気持ちのよい汗をかくことができます。
たとえ散策中に雨が降ってもブナの葉のおかげで濡れることはありません。
秋田では大きな蕗(フキ)の葉を雨傘がわりに使うという話を聞くことがあると思いますが、手に持たないでそのまま歩いていても濡れないのです。また、ブナの葉が敷き詰められたふかふかした地面を歩くので、多少凹凸があっても足の疲れはあまり感じません。
岳岱への手前に太良峡(だいらきょう)という渓谷がありますが、そこを流れる渓流にはイワナ釣りをするために県外からも多くの釣り人がやってきます。太良峡の橋から見下ろすとはるか下のコバルトブルーの渓流に吸い込まれそうな不思議な気分になります。森林と渓流の織りなすコントラストに感動する瞬間です。
*藤原 弘章:1955年秋田県藤里町で生まれ。
1979年秋田大学教育学部中高課程英語科卒業。
1982年1月神奈川県藤沢市立中学校英語教員として勤務、
2008年3月藤沢市立中学校教員を退職。藤里町に帰ってわずかの農地で農業を行う。












